検相器は、三相交流回路において電源の相順(U・V・W)を確認するための測定器です。特に三相モーターの回転方向や受電設備の確認時には、誤配線による逆回転や機器損傷を防ぐために不可欠な道具です。検電器と混同されやすいですが、検相器は「相の順序=回転方向」の確認に特化した機器です。
検相器とは?
- 三相電源に接続し、各相の位相順序(正相・逆相)を判別する
- 内部回路で信号の時間差を検出し、LEDや回転ランプで表示
- 配線間電圧が一定範囲(例:AC100〜600V)にあることが前提
使用シーン
- 三相誘導電動機の設置前確認(逆回転防止)
- 分電盤・制御盤工事での受電相チェック
- 高圧受電設備のメンテナンスや更新作業時
使い方の手順
- 電源を遮断せずに、R-S-Tの3本のリードを三相に接続
- 正相の場合はLEDが順番に点滅(または「正相」表示)
- 逆相の場合は回転が逆・警告ランプなどで表示される
- 表示を確認したら、表示された順序に従って配線を修正
注意点と安全対策
- 検相器は絶縁性が高いものを選び、感電事故を防止
- 電圧範囲外での使用や、誤配線による誤判定に注意
- 検相後、必要に応じて検電器やテスターで二重確認を行う
検電器との違い
- 検電器:電圧の有無を調べるためのもの(通電確認)
- 検相器:三相電源の相順を調べるためのもの(回転方向確認)
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まとめ
検相器は、三相交流設備の施工・点検において「回転方向」を正しく判断するための重要な測定器です。誤った相順はモーターの逆回転や設備損傷の原因となるため、必ず設置前に検相を実施しましょう。安全な作業のために、検電器との併用と正確な機器選定が求められます。
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