トルクドライバーは、ネジの締め付けトルクを一定に保つための専用工具で、電気工事や設備施工において接続不良・緩み・破損の防止に大きな効果を発揮します。特に分電盤や端子台の施工においては、適切なトルク管理が「電気火災を防ぐ最後のひと手間」と言っても過言ではありません。
トルク管理の重要性
- 締め付けトルクが不足すると、通電時の発熱・スパーク・端子のゆるみを招く
- 逆に締めすぎるとネジ部や接点が破損し、導通不良や部品交換が必要になる
- JISや機器メーカーの仕様書には、トルク指定が明記されている場合が多い
主な種類と特徴
- プレセット型:あらかじめ設定トルクで「カチッ」と音が鳴る一般的タイプ
- ダイヤル調整型:トルクを現場で簡単に変更できる。多用途に対応
- デジタル表示型:設定トルクの確認・記録が可能な高精度モデル
設定トルクの考え方
- 機器メーカーが指定しているトルク値を最優先(例:M4端子=1.2N・m)
- 指定がない場合は、JIS C 8201(低圧機器端子)や内線規程に準拠する
- ねじサイズ・材質・ねじ山の状態によって適正値は変化する
使用時の注意点
- 「空回り」後も締め続けるとトルクオーバーになるので注意
- 経年使用でバネが劣化するため、年1回以上の校正を推奨
- 高所作業では落下防止措置も忘れずに
導入のメリット
- 新人・熟練問わず施工品質を均一に保てる
- 検査書類に「トルク管理済」と記載できることで信頼性が上がる
- メーカー保証対象外トラブルを未然に防げる
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まとめ
トルクドライバーは、現場の「見えない品質」を守るための重要な管理工具です。施工トラブルを未然に防ぎ、長期的な信頼性を確保するには、手間を惜しまず正しいトルク管理を行うことが必要です。特に盤内や高圧接続には、必須と言えるレベルでの導入が望まれます。
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