電気配管工事において、CD管やPF管内へ電線を通す「通線作業」は、作業効率と品質を左右する重要な工程です。特にCD管は構造上の曲がりや引っかかりが発生しやすく、適切な通線ワイヤーの選定と施工テクニックが求められます。ここでは、通線ワイヤーの種類と現場で使える通線のコツを解説します。
通線ワイヤーの主な種類
- スチールワイヤー:剛性が高く直進性に優れるが、曲がりに弱い
- グラスファイバー製:柔軟性と耐候性があり、曲がり配管向け
- ナイロンコーティングタイプ:摩擦が少なく、CD管内での滑りが良い
- 電線内蔵タイプ:ワイヤーにケーブルを固定して一気に引き込めるモデルも存在
CD管での通線の難しさ
- CD管は蛇腹構造のため、屈曲時にワイヤーがひっかかりやすい
- 管内に湿気や砂塵が残っていると、滑りが悪くなりやすい
- 複数屈曲を通す場合、押す力よりも引く力を重視する必要がある
通線テクニックと工夫
- 挿入時はゆっくりと管の形状を意識しながら押し込む
- 潤滑スプレーを使用することで、摩擦とひっかかりを軽減
- 長距離の場合は、先にヒモ(ガイドライン)を通してから引っ張る
- 通線後はワイヤー端にビニールテープを巻き、電線との段差を滑らかに処理
注意点
- 無理に押し込むと管が破損したり、通線ワイヤーが折れ曲がることがある
- 施工後に電線がたるまないよう、通線後は軽く張力をかけながら引き込み
- ワイヤーを抜く際に電線が引っかからないよう、固定と曲げ処理を丁寧に
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まとめ
通線ワイヤーは、現場条件や管の形状に応じて種類を使い分けることが重要です。CD管は特に通線抵抗が高くなりやすいため、挿入角度・潤滑・曲げ対策など、ひとつひとつの作業の工夫が仕上がりと効率を大きく左右します。無理な力をかけず、丁寧かつ確実な通線作業を心がけましょう。
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